【ネタバレ注意】兼近大樹さん「むき出し」のあらすじ、感想。 | 双六日録

【ブックレビュー】兼近大樹さん著「むき出し」の感想とあらすじ。更生。分断。兼近さんにしかできないこと。

ブックレビュー
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皆さんこんにちは。双六問屋です。
見に来てくださりありがとうございます。

芸人「EXIT(イグジット)」の兼近大樹(かねちか だいき)さんが書いた「むき出し」を読みました。

「むき出し」、自伝と言われることも多いですが、兼近さんはあくまで「実話ではなく、小説」とお話されています。とはいっても、かなり兼近さんの経験談が含まれているようです。

今回は、むき出しのあらすじ、感想、そして今話題になっている兼近さんのこれからについて私なりに思うことを書きました。

著:兼近 大樹
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私は兼近さんの特別ファンではありませんが、全然嫌いではありません。普通。
ただゴッドタンが好きなのでブレイク前から見ています。そう考えると好き寄りか。

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「むき出し」あらすじ

「むき出し」を実際に読んだ私が、詳しめにあらすじを書こうと思います。
ネタバレを少し含みますのでご注意ください。

人気絶頂漫才師「entrance」の石山だいき。眠る時間がないほど忙しく過ごす毎日。
ある日の帰宅中、突然週刊誌の記者から声をかけられる。
世間には隠していた過去が暴かれる瞬間がとうとうやってきた。
石山の回想が始まる。

だいきはママ、パパ、ババ、ジジ、にーちゃん、ねーちゃん、いもーとに囲まれ暮らしている。
小学校に入る前からいたずら三昧。人の畑からトウキビを盗み、車のドアに落書きをする、ママの財布からお金を盗む・・・。

小学生の時には頻繁に親に連絡される問題児へと育っていた。
せっかくできた友達も、だいきが起こす問題行動のせいでいなくなってしまう。
だいき自身、自分がどうしてこうなってしまうのかわからない。大人たちはいつも大切な質問には答えてくれない。
だいきがヒーローになれたのは、いじめっこを殴りつけた時だけだった。
小学校3年生でパパの会社が倒産。ママのガンが発覚。病院に行く余裕がないと働きづめのママを見て、自分の家は貧乏だと再確認するだいき。

中学校に入ると、だいきの素行はますます悪くなっていく。続けていた野球も、他のメンバーを見てあっけなく自信が砕かれてしまう。金が必要という現実をここでも突きつけられるだいきだった。

鈍感に生きないと狂ってしまう。
不幸に気づかないふりをして、自分には特別な何かがある、自分はすごいと信じて生きていくしかないと決意するだいき。

悪いことをした時にだけ他校の不良生徒に受け入れられる。
人ができないことをすれば認められる世界。

新聞配達を続けながら通っていた定時制高校にも次第に行かなくなってしまった。
厳しい肉体労働や、知らずに入ってしまった詐欺の会社で出会う人々に囲まれ、だいきはまた暴力事件を起こしてしまう。これは正義ではないと気が付きつつも暴力がとめられない。

前略プロフィールで出会った鈴代に恋をし、とにかく普通の生き方をするためにたくさんの仕事を経験するだいきだがどれも長続きしない。
どこに行っても合わず、学力が足りず、過去の話もできないだいきはここでも挫折してしまう。

デートクラブで女の子の送迎の仕事を任されただいきは、ある日売春防止法違反で逮捕されてしまう。

この留置場での2つの出会いが、だいきの運命を大きく変えることとなる。

1つめは、愛する鈴代から届けられた本との出会い。
2つめは、後にだいきを強盗犯へ仕立てあげる本木との出会いだった。

この後芸人になるまでもしっかり書かれていますが、あらすじはここまでにします。

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「むき出し」感想

全体的にとても読みやすいです。難しい漢字にはルビがふってありますし、多くの人に伝わりやすい言葉で書かれています。

あらすじを長々書きましたが、気になった方はぜひ本を直接読んでほしいです。
なぜなら、それぞれの暴力にいたるまでの感情が描かれているから。
本人が考える正義のために振りかざされる暴力もあるし、なんの意味もなくただなんとなく腹が立ったからと理由で大怪我をさせる場面もあります。

多分、このブログを読んでいる方は暴力をふるったことや服役をしたことないかたがほとんどだと思います。私もそうです。持ったことない感情が描かれている。
その気持は理解できるとは言い難いけど、そういう気持ちがあるってことはわかりました。

あと、小さい頃のだいきに本気でむかついたー!
小学校の時クラスにいませんでしたか?ただただ迷惑行為を繰り返すむかつくうるさいやつ。悪魔かな?っていうくらいひどいことをする子。そういうやつを思い出してむかついてしまいました。
むかついたってことは兼近さんの世界に私がちゃんとハマったということなんでしょう。

でも読んでいくうちに考えます。「この子は加害者じゃなくて被害者ではないのか?」と。
周りの大人に振り回されて、貧困の状況下で、何度も運命に振られ続けていく。
これって、この子の罪?
生活保護をもらってくれと頼むだいきの願いを、ママは聞き入れてくれません。
これは一見、ママが正しくて立派な人に見えるでしょう。
しかし、ママはガンなのです。結局は、ママに死んでほしくないだいきが働かなければ生活はまわりません。そして、ママを責めた自分のこともまた責めてしまう。抜けられない地獄。

非行に走った人を見て「家庭が複雑でも立派に生きている人はいる、甘えだ!」「言い訳するな、私だって色々あったけどぐれずに育ったぞ!」という人達はとても多いです。
そして本当にそれは立派な、正しい意見だと思います。

私も虐待を受けて育ちました。身バレしたくないので詳細は書きません。
父とは20年以上会っていません。この先会うこともないでしょう。

私もぐれずに育ちました。そして思います。ただ「運がよかった」と。

なんども闇に引きずり込まれそうになった時、どうにかまっとうな社会にとどめてくれたのは友人や本との出会いです。それがなければ、私が死んでいたか家族を殺していたかのどちらかだったと思います。
私はだいきを他人だとは思えません。

この本では、劣悪な環境の中で育ち、何度も希望を打ち砕かれただいきが、やっと「ここにいるとだめになる」と覚悟し、自分が死んだことにして故郷を捨て芸人に挑戦する姿が描かれます。

この本の途中途中にさしこまれるentranceの漫才にこそ兼近さんの伝えたいことがこめられているように思います。

「ヒーローになりてぇな」
「アニメの主人公なの?」
「この世界って色んな階層で生きてる人達がいますよね?その隔たりや分断をなくしたいかな!(中略)日本でも歩み寄れない沢山の分断があるよな。そのあらゆるところに揺らぎを起こしたい。まあ現実的に今すぐ出来ることは、人から受けた優しさを他の誰かにも還元すること。」

兼近大樹 むき出し

兼近さんにコメンテーターや講演を続けてほしい

今回私がこの本を読むきっかけとなったのは、連続強盗事件の容疑者と兼近さんが仲間だったというニュースです。
このニュースの後、SNSでは兼近さんに対する評価は真っ二つ。
「二度とテレビに出るな、犯罪者」という否定派と、「更生して頑張っているのだからいいのでは」という応援派。
その声を受けて、兼近さんが行った生配信を見ました。

私は生で見ていたのでチャットも読めたのですが誹謗中傷の嵐でした。
そういった質問にも答える兼近さんの姿を見て、小説を読んでみようと思いました。

今回の兼近さんと容疑者の関係について書いているフラッシュの記事を読んだ方はいらっしゃいますか?ひどいタイトルでしたね。
写真も犯罪者グループのだし、読者の興味を引き付けるために兼近さんがあたかも一緒に犯罪をおかしたかのようなタイトルです。
ただ、中身を読むと兼近さんは今回の事件に全く関係ないことがわかります。

このフラッシュはdマガジンから初月無料で読めます。
この記事が掲載されているのはFLASH 2月14日号です。

※dマガジンでは現在、FLASHのバックナンバーは昨年9月の発刊された号まで読めますが、都合により変更もあると思いますのでご確認ください。

そして「むき出し」に書かれている、主人公だいきを強盗犯に仕立て上げる本木こそが、今回の兼近さんとの関係を取り沙汰されている容疑者ではないかと書かれています。

兼近さんは、この容疑者と昔知り合いだったことはたしかだと認めていますが、今回の犯罪についての関与は一切否定されています。

今回、兼近さん関連の配信、ニュース、そして「むき出し」を読んだ私の感想は「兼近さんににコメンテーターを続けてほしい」です。

迷惑動画をあげている子どもたちについて、兼近さんの意見を聞きたい

生配信中「スシロー動画への意見を聞きたい」という質問に兼近さんは「これに関しても俺色々言いたいことあります」とお話されていました。配信中は他に答えるべきことがあり、細かく回答はありませんでした。
「むき出し」の中でも、主人公だいきがとにかく目立つために悪いことをする場面が何度も描かれます。

迷惑動画をアップする若者が激増しています。もう、アップする子に刑罰を与えるだけじゃ収まらない域にきてますよね。

私は、兼近さんにぜひコメンテーターとして迷惑動画への意見を聞きたいです。
一般人からすると、なぜそんなことをするのか、そして動画をアップして目立とうとするのかわからない。
それを言語化してもらいたい。できれば、実際に少年たちと対談してほしい。

これまで、過去の犯罪歴を明らかにしたうえで、ここまで人気になった芸人さんはいないと思います。
人気があり、話術もあり、コミュニケーション能力があり、更生を目指して歩んでいる。
これ以上コメンテーターに向いている人はそういないと思うのです。

相方りんたろー。さんの言葉。

今回の報道を受けて、相方りんたろー。さんが話している言葉が私にはとても響きました。

過去、兼近君がいたような状況に足を踏み入れてしまった人が、過ちを犯してしまった人が、(更生した)兼近君を見て一瞬夢を描いた人が、「なんだ結局無理じゃねえか」って夢をあきらめてほしくない。

Abema Prime 【再出発】EXIT兼近大樹「死ぬ時に自分を好きでいれたら更生」

私が、兼近さんにコメンテーターを続けてほしい理由はもう一つ、しっかりと支えてくれる相方のりんたろー。さんがいることです。

兼近さんが繰り返す、「分断をなくしたい」

兼近さんは「むき出し」発売時のインタビューや、今回の報道後も「分断をなくしたい」「階層をなくしたい」と何度もお話されています。

理解できない、何故こんな奴がこの世にいるのか、死ね、社会に出るな、で終わらせずに知ってください。

それが被害者も加害者も減らし、分断をなくす一歩になります!あなた達が俺を殺しても、世界は何も変わりません。

2023/1/31 兼近さんのツイートより抜粋

私が今回の一件で考えたのは、「人間って一回犯罪をおかしたらもう戻れないのかな」ということです。もちろん、犯罪はだめです。ただ、やり直しがきかない世界って怖すぎるなと思ったんです。
法律よりもネットリンチの方が力を持ちすぎて、罪を犯した人は更生しても意味なくて、世間的に死ぬか、実際に死ぬしかないのかな。
犯罪は被害者が存在する。被害者は心の傷は一生消えない、それもその通りなんです。
でも今回「むき出し」に書いていることが、ほぼ兼近さんの実体験だとしたら。
兼近さんの逮捕の経緯が、この小説の通りだったら。

兼近さんにはやっぱり芸能活動、とくに少年犯罪や更生についてのコメンテーターとしての役割を続けていってほしいと思いました。

今回の事件について兼近さんを叩いている人たちを見た時、私は「この人達は『自分や、自分の家族がもしかしたら加害者になるかもしれない』と少しも想像しなくていい人生を送ってきてうらやましいな」と思いました。嫌味ではなくて、心から思ったんです。

私には、加害者家族の友人がいます。
その友人が「あのね双六ちゃん。私今でも、会社の電話が鳴ると時々怖くなるんだよ。いつか誰かが全部会社にバラすんじゃないかって。」と泣いていた日のことを忘れられません。

犯罪は悪いことです。ただ、法律以上に人に罰を与えるものがあってはいけない。
更生の芽を摘むことは、あらたな犯罪を生み出すことになってしまいます。

兼近さんの記事、そして「むき出し」を読んで、何が正しいことなのかはまだわかりません。
ただ、貧困や更生について考えてみるきっかけになりました。
考えてみることが、分断をなくすことに近づくのかなと思います。

気になった方、むき出し、ぜひ読んでみてください。
感想をコメント欄で聞かせてもらえると嬉しいです。

著:兼近 大樹
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兼近さんと、今回の報道の容疑者については2月14日のFLASHを読むと今は関係ないことがわかると思います。ただ、記事タイトルについてはひどすぎます。
dマガジンでバックナンバーも初月無料で読めます。

※dマガジンでは現在、FLASHのバックナンバーは昨年9月の発刊された号まで読めますが、都合により変更もあると思いますのでご確認ください。

dマガジンはdocomo以外の方も利用できます。

今回の報道を受けて、EXITのお二人が話しているAbema Primeの動画はこちらです。

あと、今回の件について、どうしても紹介したい歌があります。
私の大好きな新妻望さんの「ナイフ」です。
ぜひご覧ください。

「ナイフ」については、こちらの記事でも紹介しています。

ここまで読んでいただきありがとうございました。
双六問屋でした。

こちらを読んだ方にはこのブログもおすすめです。

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双六日録

コメント

  1. ふとんすずめ より:

    双六さま
    はじめまして。EXIT兼近さんのファンです。
    ツイッターをきっかけにこちらのレビューに辿り着きました。
    兼近さんの本と、兼近さんへのたくさんの言葉、本当に救われる思いで読ませていただきました。
    私も犯罪加害を受けたものの一人です。
    そして身近にまた別の犯罪加害者の人がいます。
    一生消えない傷を負い、負わせた人を見て、そして兼近さんの本や言葉に、態度や取り組みに触れるにつけ、双六さんと少し同じように思いました。
    「こうしたことに縁のない人は、努力や才能でそれらに遭わなかったのではなく、本当にただ、運の良かっただけなんだな」と。
    同じように感じてくださる方がいて、それをこうして発表してくださって、本当に嬉しかったです。
    とても素敵なレビューでした。
    本当にありがとうございました。

    • 双六問屋 より:

      ふとんすずめさん、はじめまして。

      ブログを読んでくださったこと、ふとんすずめさんの人生の大きな出来事をコメントで書いてくださったこと、本当にありがとうございます。

      傷を負ったこと、(別事件とはいえ)傷を負わせた人が近くにいること、これまでにきっと色々考えることありましたよね。

      たくさんの夜を越えて、生きて、今気持ちを書き込んでくれてありがとうございました。

      私も、ふとんすずめさんと気持ちをわけあえて嬉しいです。

      傷が消えることがなくても、少しでも癒えるように心から祈っています。ありがとうございました。

  2. 柴田真美 より:

    今回の件で、読まれたのですね。
    ただ1つ、だいきは、と書かれると、また、自伝だと勘違いされることになると思います。あくまでも、石山くんとしての小説ですので、私達も、どこまでが、事実かは、わからないですよね。
    あと、だいきは、虐待を受けていないといいますが、帯にあるように、殴られる事か当たり前と思っていた事を書いています。誰も本当のことを教えてくれなかった。と、おじいちゃんから、殴られて育っていると思いますよ。
    私は、この一文で涙が止まらなくなりました。
    むき出しは、本当に読みやすい本でした。
    スラスラ進んでしまうので、途中で読むのをやめたくらいでした。
    読んでいる時は、てっきり自伝かと思い、勝手に傷ついて、一旦、落ち込みました。
    ですが、それでも、応援する気持ちは変わらないとなったのは、今を見ようと思えたこと。
    それだけではないですが、言葉に出来ませんが、かねちが、何のために書いたのかに思いを馳せ、そこを大切にしようと思えたからかな。
    そして、全ての責任を背負って生きていこうとしている、かねちが愛おし過ぎて、親心みたいになっています。
    もう十分過ぎる過去の反省は手放して自分を認めて愛して生きて欲しいです。
    心からそう願います。
    ずっと応援します。

    • 双六問屋 より:

      柴田真美さん、はじめまして。
      ブログを読んでくださったこと、感想のコメントをどうもありがとうございました。
      「虐待を受けていない」の部分は削除しました。

      むき出し、すごく読みやすかったですね。色々考えるきっかけをくれた本でした。
      普段は本が苦手な方にも、届いてほしいなと思います。

      EXITのファンの方にもこちらの記事を読んでいただいてとても嬉しいです。
      私もEXITのこと、これから応援していこうと思います。

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