せかいはことば 【齋藤陽道さん著】言葉を使って生きているすべての人に読んでほしいまんがです。

ブックレビュー

皆さんこんにちは。双六問屋です。
見に来てくださりありがとうございます。

いつもTwitterで楽しんでいたまんがが刊行され、読み終わりましたので情報と感想を書いていきます。「育児まんが」とタイトルについていますが、育児をしている方、していない方どちらにもぜひ手にとってほしい本です。

疲れた時や悲しい時に開くと、少し息がしやすくなる本だと思います。

では、紹介していきます。
この記事では、耳が聴こえない方を「ろう者」、聴こえる方を「聴者」と書きます。
私、双六問屋は聴者で、結婚しておらず子どもはおりません。

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写真家・齋藤陽道さんによる単行本「育児まんが日記 世界はことば」情報

育児をしている方、していない方、どちらにもおすすめです。
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「育児まんが日記 せかいはことば」 とはどんな本か

カメラマン・齋藤陽道さんにより、Twitterやnoteにアップされていた手書きのまんが日記「せかいはことば」。

「育児まんが日記 せかいはことば」には、齋藤家4人の暮らし、お子さん二人の成長記録、日本手話について、様々な人との関わり、齋藤さんやまなみさんの思い出話、ろう者ならではの困ったこと、ろう者と聴者の異なりについて・・・など実にさまざまなことがいきいきとまんがで描かれています。

Twitterから1話紹介します。せっかくなので単行本には未収録の2021年11月17日の「せかいはことば」を。

こちらをまとめ、エッセイやおすすめの絵本情報、東日本大震災の時のエピソードなども追加されたのが今回の単行本。
今作では、おもに2019年1月から8月までの日記が描かれています。


登場人物は主に4人。
お父さん 齋藤陽道さん カメラマン(窪田正孝さんの写真集やMr.Children、森山直太朗さんのアーティスト写真などを撮影)、文筆家、漫画家。
最近ではNHK おかあさんといっしょのエンディングテーマ「きんらきらぽん」の作詞もされています。
齋藤さんはろう者です。小中学校は普通学校へ通い、高校からろう学校へ。そこで手話に出会い、20歳で補聴器をつけることをやめたそうです。耳が聴こえる両親のもとで育ちました。
齋藤陽道さん 公式ホームページはこちら

お母さん まなみさん 齋藤さんのアシスタントや事務、タイダイワークショップをしたり、色々とフリーランスでご活躍されています。
まなみさんとご家族ともにろう者であり、小さい頃から日本手話で会話されていたそう。
まなみさんのインタビュー記事「働くろう者を訪ねて」はこちら

齋藤さんが高校3年生、まなみさんが1年生のときに同じろう学校で出会い、お付き合いを経て結婚なさったそうです。

現在、齋藤家には二人のお子さんがいらっしゃいます。
長男 いつきさん 2015年生まれ
次男 ほとりさん 2018年生まれ
お子さんは二人とも、耳が聴こえます。
手話と声、2つのコミュニケーションの世界を行き来しています。
先日アカデミー賞 作品賞を受賞した「Coda コーダ あいのうた」と同じく、Children of Deaf Adults、聞こえない親をもつ聞こえる子どもたちです。

赤ちゃんのイメージ画像

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アカデミー賞(作品賞、助演男優賞:トロイ・コッツァー、脚色賞)受賞作品
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「せかいはことば」どんな人におすすめか

ろう者で育児をされる方
世の中の育児本はほぼ100%聴者に向けて書かれたものであり、ろう者の方向けの物は見つけ辛いこと。齋藤さんが書かれていて初めて気が付きました。
こちらの本では、日々の育児はもちろん、必ず起こるであろう子どものケガや病院についてもふれられておりすごく参考になりそうです。

ろう者の方ご本人や、まわりにろう者がいる方
齋藤さんやまなみさんの体験談がたくさん載っていて、感情がリアルに綴られています。
ろう者の方にとっては「あるある」と感じるのではないでしょうか。
また、聴者にとっては今まで想像さえしなかったことを教えてくれます。

日本手話に興味がある方
日本手話の表現の豊かさにびっくりしました。
手話には日本語対応手話と日本手話の2種類があるそうで、こちらの本で紹介されているのは日本手話です。
日本手話での表現方法がこの本にはたくさん載っています。
まなみさんが恐竜時代を表現する「ずーーーっと大昔」を表現した手話を、翌日いつきさんがそっくり真似て伝える場面や、手話ネーム、家庭内だけで流行る手話、などこの本を読んでたくさんの手話文化を知ることができました。

育児をされている方
私は子どもを産んだことがないので想像になってしまいますが、ろう者、聴者問わず育児をされる方に響く描写がたくさんあると思います。私はまなみさんが「世話って考えるの、私やめた」と話すところが好きです。まなみさんがものすごくチャーミングでこんな友達いたらいいなーと思います。

人と、言葉でコミュニーケーションを取りながら生きていく必要がある方
「え?そんなの生きてる限り全員そうだろ?」と思われましたか?
そうなんです、この本、言葉を使って生きている方全てに読んでほしいんです
次の章からその理由と私の感想を書きます。

「育児まんが日記 せかいはことば」、言葉を使う人全てに読んでほしい理由とは

伝えることの難しさ、楽しさ、伝わった時の嬉しさが全てのページに描かれているから

引用元はこちら

私はひとり暮らしで、近くに家族はいません。結婚しておらず、子どももいません。聴者です。
齋藤さん家族との共通点はあまりありません。ただ、大きな共通点があります。
それは「日々、誰かに、何かを伝えながら生きていく」 ということです。
そして、これは生きている全ての人に共通していることでもあります。

私が年を重ねて痛感するのは「『言う』と『伝える』は違う」ということです。

例①職場で「この書類の処理お願いします」と頼みごとを言う。
後で取りにいくと処理されていなかった。聞いてみると「私ではなくて隣の人に言ったかと思った」「明日でもいいと思った」と言われる。言葉が足りなさすぎて伝わらなかった例です。
例②悲しいことがあった時、何も言わずにただ話を聴いてもらう。
アドバイスでもなく、励ましでも気の利いたセリフでもなく、ただただ話を聴いてもらう時間。
その言葉のなさに救われる瞬間もあります。何も言わなくても、心に寄り添おうとしてくれることが十分伝わります。

言葉が多すぎても少なすぎても、伝えるって難しい。
言葉は、口から出るだけのものではなく、表情、体温、視線にも含まれています。

「せかいはことば」は、伝えることの大切さ、難しさ、そして嬉しさが全てのページに描かれています。

齋藤さんとまなみさんが夜中になんとなくハグしあい、背中を使って手話をする場面。
いつか目が見えなくなったり、体が動かなくなったりしたら、手話で伝えることができなくなる恐怖があったけれどそれが薄れたというエピソードです。

「これって、『好き』の手話だ!」と気がつくシーンも読んでいて心があたたかくなります。感情や物をより映像的に表現する日本手話だからこそ、あふれる思いが動作になっているのかもしれません。シンプルなのに気持ちがすごく伝わる手話だなと思いました。

齋藤さんとまなみさんが、気づきとか怒りとか動揺とかどんな感情も伝えあうことに立ち向かっている姿を見ると、うらやましくもあるし自分もできるようになりたいなと感じます。少しずつでも。

子ども(愛する人)と自分は別の人、が徹底して描かれているから

この本の中では、いつきさんとほとりさんを「ろう者と聴者の通訳者」としては育てないように気をつける場面が何度か出てきます。「通訳者のあゆみをさせるな、人間のあゆみを」と。
ふとしたやり取りで、いつきさんが「通訳者」から「赤子の様子を見る人」になるところや、アナウンスに気がついてくれたいつきさんに「ありがとう」ではなく、「本当だ」と返すところなどその工夫はいたるところに描かれています。

ちなみに、この「せかいはことば」を読んでから、映画「コーダ あいのうた」を見るといろんな家族があることをより強く感じます。(コーダは、ろう者の家族の通訳者として生きてきた聴者が主人公の物語です。)
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私は子どもはいませんが、「愛する人と自分の人生は別のものである」という考えが大切だなとは考えています。難しいですが。
近くにいればいるほど、愛する人(家族、友人、恋人問わず)と、自分の考えは同じという考えに傾きそうになります。そちらに針がふれてしまうと、相手の気持ちまでをも支配しないと不安になったり怒りを覚えたりするような気がします。

次男ほとりさんが検査を受けて聞こえるとわかった時、齋藤さんは「特に感慨はない。『きみたちはそういう人なんだ』ということがわかった。そのことでより適切な声をどう届けようか考えることができる。」と考えます。(その後のサイゼリヤでの齋藤さんの言葉、めちゃくちゃよかったー。)
長男のいつきさんが歌っている姿を見て、どんな歌かわからない齋藤さん。でも「面白いな」「いいな」と思うのみだそう。
「もっとドロドロに『何を歌っているか』気にするかと思っていたのに。ふしぎだな」 と書いてあります。

収録されているエッセイの中でも、その考えがよくわかる描写があります。

それぞれの異なりを一緒に混ぜて、お互いにとってよりよくおもしろい表現につなげていく姿勢を、お互いに養うことができたらいい。心から思う。

異なりを混ぜて」育児まんが日記 せかいはことば 収録

自分とは全く別の人間と受け入れて、そこから愛していけたら。その愛ってお互いに心地良いでしょうね。

「知恵のない荒野に種を蒔く」という考えにとても共感するから

引用元はこちら

私がこのまんがを好きな理由、3つめ(本当はもっとありますが書ききれないので絞ります)
それは、いつも齋藤さんが「知らないことを責めないところ」です。
これは、子どもだけじゃなくて大人にもすごく大切なことだと思います。

まなみさんが5才の時、聴者の子どもから「(手話を)やめろ!えんぎクセーことすんなよ!」と言われたことがあったそうです。「無知からくるものとわかっていても悪意の言葉はとてもよく刺さる。なかなか抜けない」「無知を無知のままにしておく限り刺さる悪意の言葉はずっと、彼ら(ろう者)に向けられている」とし、「知恵のない荒野に種を蒔く」と続きます。

初めて知った宇宙の構造に怯えるいつきくんに「たくさんのものを見て、ことばを覚えて、たくさんいつきさんのものにしていけば怖くないよ。怖い、は面白い、よ。怖い、いいね。たくさん本読もう!!」と声を掛けます。

知らないことを知っていけば、怖いものは減っていくし、危険なものにむやみに近づかなくなる。
それって生きる力につながっていくことですよね。
人間ってどうしても知らないものには恐怖心を煽られるから、知っていくことって大切だなと、コロナ禍にもよく考えていました。

「せかいはことば」に収録されているエッセイを読んで知れたことがたくさんあります。
ろう者の方にとって病院がいかに不便な場所であるか、災害時にろう者であることを示す「防災バンダナ」(災害時救助用バンダナ他、自治体により名称、デザインは異なる)の存在、そして、旧優生保護法。

愛知県稲沢市の「障害者支援用バンダナ」 引用元 東京都福祉保健局 ホームページ

ここから先、私自身で何かできることはないか考えようと思います。
とりあえず、避難所でスマホの充電を気にせずにろう者の方と筆談ができるよう、ノートとペンを防災リュックに入れておきました。
あと、日常生活ってまだまだ電話とかアナウンスとか音声が聞こえないと困ることが多いのがよくわかりました。これも機会に遭遇したら迷わず私が手助けできることをやろうと決めました。

普段の生活でも、災害時でも「こういうことをしてほしい」「こういうことで困った」ということがありましたらコメント欄で教えてもらえると嬉しいです。

「せかいはことば」で種を蒔いてもらったことで、私の世界も広がりました。
少しでもいいから手話覚えたいな・・・

著:森田 明, 著:三宅 健, 著:那須 善子, 監修:前川 和美, 監修:下谷 奈津子
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最後に

続巻希望

今回の「せかいはことば」、人生が描いてあるので内容が濃いんです。5日くらいかけて読みました。

今回書かれているのは2019年の8月までなので、この約半年後くらいから本格的なコロナ禍になっていきますよね。その時のエピソードもぜひ読ませてもらいたいなと思いました。いつきさんとほとりさんが遊んでいるところももっと見たいです。続刊出たら絶対買います。

いつきさんがイルカとガチで友達になったところ読みたいなー。

この本の大きさも見やすくて、仲良い友達が描いたノートを見せてもらってる感じなんです。
人との関わり合いで悩んだ時とかに好きなページをパッとめくって参考にしたい、ずっと手元に置いておきたい本です。

いやー、それにしてもナナロク社はいい本ばかり出してくれます!!私好みのものばっかりです。
ナナロク社から出ているおすすめの短歌集についてもこちらのブログで書いています。
ぜひ読んでください。

リンク集

最後に、齋藤陽道さん関連のリンク集をまとめて載せます。特に公式サイトに載っている写真が最高なのでぜひ見てほしいです。
私は写真展も見に行ったのですが息を呑む美しさでした。

齋藤陽道さん公式ホームページはこちら

最新情報や、「せかいはことば」もアップされる齋藤陽道さん Twitterはこちら

「せかいはことば」がアップされているInstagramはこちら

斎藤さんの文章や写真がたくさんアップされているnoteはこちら

齋藤さんのポートレート撮影とインタビューがWEB連載されている「働くろう者を訪ねて」はこちら
この連載、本当に素晴らしいのでトップページだけでもぜひ読んでください。そしてぜひ情報をお寄せください。

齋藤さん家族が描かれている映画「うたのはじまり」公式ホームページはこちら

齋藤さんもおすすめされていた、「コーダ あいのうた」。
Amazon Prime会員の方は、追加料金なしで「コーダ あいのうた」が見られます。
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アカデミー賞(作品賞、助演男優賞:トロイ・コッツァー、脚色賞)受賞作品
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ろう者の方が書かれたこちらの本もおすすめです

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こちらは東京都文京区春日にあるスープカフエ「sign with me」オーナーの柳さんが書かれた本です。
(スープカフェ「sign with me」は本郷三丁目から春日に統合移転されました。記事はこちら)

社会生活で感じる、ろう者の孤独感(これは聴者として身につまされるものがありました。ぜひ読んでほしいです)、差別、働くことのやりがい、聴者に「ありがとう」を伝えることが多いがありがとうと言われることが少ない現状を変えていきたいこと、手話を使う人にとって「目」がどれだけ大切か・・・などリアルな現状がたくさん書かれています。

「せかいはことば」で手話に興味を持たれた方、こちらのカフェは手話が公用語ですので行ってみてはいかかがでしょうか。(筆談もできます)。
スープカフェ sign with me公式ホームページはこちら

今日の記事はここまでです。最後までお読みくださりありがとうございました。
それでは、また。双六問屋でした。

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